HOP石出和博会長に、高級木造住宅の耐久性について解説いただいています。
不動産物件を所有する場合に気に留めておくべきこととして、「法定耐用年数」というものがあります。
鉄筋コンクリート造の物件は47年、鉄骨造は34年、そして木造は22年と明確に定められています。
この年数はあくまで税金の減価償却のためのものであり、そのまま建物の耐久性を示しているわけではありません。
ですが、現実的にも、国土交通省などの調べによりますと、我が国の木造住宅は約24年で取り壊されてしまうというデータがあり、さらに私たちHOPの本拠地である北海道では20年以下という数字も出ているのだそうです。
こうしたことから、木造住宅というものは20数年程度が寿命なのだなと、つい思ってしまいがちです。
しかし、海外に目を向けてみますと、ヨーロッパでは木造住宅は約75年、アメリカでも約50年という耐用年数を誇っています。
また、「木の家は地震に強い」のページでも述べました通り、法隆寺の五重の塔や薬師寺、醍醐寺などは1000年以上の時を経て、その姿を保ち続けています。
つまり、木造というものは、決して耐久性が低いものではありません。
では、なぜ日本の木造住宅は20数年程度しかもたないとされているのでしょうか?
そこには、ある種のからくりが潜んでいます。
「スクラップ&ビルド」という言葉をご存知でしょうか?
高度成長期からバブル期の頃まで建築業界でもてはやされていた風潮で、簡単に言えば、ある程度古くなった建築物はさっさと取り壊し、新たな建築物を建てるという方法。
つまり、業界全体が、家というものを消費財としてみなし、良いものを長く使うのではなく、そこそこの品質のものを次から次へと造っていく、そんな考えに取り付かれていたのです。
私たちHOPは、もちろんそうした考えを断固否定しています。
少なくともアメリカのように、50年はもつ家造りを目指し、使用する木材の厳選や品質管理、加工の精密度向上、より耐久性に優れたモルタル外壁の使用などを実践しています。
日本の木造住宅が20年程度しかもたないという風潮が生まれてしまったのであれば、やるせないですね。その点、石出会長率いるHOPでは、良いものを長く使ってもらうという信念を家造りに貫いているのです。
建築時の構造設計や施工の精密さ、そしてメンテナンスをしっかりすることで、日本の木造住宅は80年の寿命をもてると言われています。これは国土交通省が出している期待耐用年数という値で、木造は30年~80年の寿命とされているからです。
20年30年で建て替えることが一般的。と言われているなか、ちょっと驚きの数字ですよね。30年と80年は本当に大きな差です。
家のなかで使われている設備や仕上げ材の多くは、約25~30年で寿命をむかえるので「リフォームをするくらいなら立替えてしまおう」という人が多いのも事実です。ただ、時を経て味わいを深くする高級注文住宅においては、80年後の姿を見られるような設計がされているはずです。
札幌を本拠地とし、評判の高い高級注文住宅を多数手がけるハウジングオペレーションアーキテクツ(HOP)。
HOPは、天然素材・国産材を用いるこだわりや、独自の木材流通システムの確立、そして施主の評判の高い家づくりなどで、注目を集める建築事務所です。
日本のみならず、外国からもオファーが寄せられる評判の高さ。HOPの源となっている理念が、HOP石出和博会長の著書『美しい日本の邸宅』で紹介されています。