波打つような印象的な曲線の屋根は、やすらぎを追求するオーナーの要望。実際の形をつくりだした発想の原点は?
絶対的な「くつろぎ」を追求した家をつくりたいという思いからスタートし、「人は曲線の内側に包み込まれるとやすらぎを覚えるものである」という、ある作家の言葉に触発されて住まいづくりに取り組みました。
「ニンゲンの巣」をテーマとして、ただ曲線を取り込むのではなく、空気や気の「流れ」を表現し、その中心で家族が安心してくつろげるような空間を作りたいと考えました。
敷地の上空に高圧線がかかっており、その下には住宅部分をつくることができなかったため、手前に納戸を配置し、残った三角形の土地に住居スペースを設けるプランとしました。
オーナーが重視されていた「流れ」ということを意識し、アプローチからエントランス、玄関、リビング、キッチンまで、滑らかな動線となるような配置を考えています。
ちなみに、リビングのソファは、オーナー自らデザインし、造作した特注品。キッチンへ続くステップと一体化させ、家族が集まる住まいの「核」ともいえるスペースとなりました。
ご提案時のスケッチ
外観
中庭
直線的な勾配屋根ではなく、まさに曲線に包み込まれるような外観に感動しました。くつろぎをイメージさせてくれますね。
ご提案時のスケッチ
リビング
ダイニング
玄関から2階に至る空間のつながりが自然な動線となっていて、まさに思い通りのプランを持つ住まいとなりました。
ソファは、家具店を巡っても、これだというものが見つからず、デザインを起こしましたが、住まいづくりに参加しているという実感にワクワクしましたね。
リビング
ダイニング・キッチン
中庭
札幌を本拠地とし、評判の高い高級注文住宅を多数手がけるハウジングオペレーションアーキテクツ(HOP)。
HOPは、天然素材・国産材を用いるこだわりや、独自の木材流通システムの確立、そして施主の評判の高い家づくりなどで、注目を集める建築事務所です。
日本のみならず、外国からもオファーが寄せられる評判の高さ。HOPの源となっている理念が、HOP石出和博会長の著書『美しい日本の邸宅』で紹介されています。