今もなお受け継がれる、日本の伝統美「茶室」。
本格的に楽しむ趣味として設ける方はもちろん、落ち着いた空間を得るために住宅内に設ける方もいます。
茶室は、単に畳敷きの部屋にして炉をきればよいということではありません。どのような風情や品格、心意気を込めるかによって、出来栄えは大きく左右されます。
例えば、窓と天井。俗世間から隔離した空間として光の取り込みを最低限とする場合もあれば、むしろ積極的に光を取り込む例もあり、オーナーの意を的確に汲むことが大切です。
HOPがこだわる茶室の例を見ていきましょう。
こちらの高級注文住宅を正面から見ると、向かって右手の屋根の破風が左側2階部分よりも薄く、長くなっていることに気づきます。
これこそがまさに、茶室から茶庭、手水、踏み石を景色として楽しむために、最適化された工夫とのこと。
茶室自体は8畳、炉は四畳半切、床の間の左側に床脇を備えるといった工夫がなされています。
一方、茶室の反対側に位置するリビングには、音楽を趣味とするご主人のグランドピアノが鎮座。
それぞれの趣味を充分に楽しんでいただくための高級注文住宅が完成しました。
ご夫婦で、それぞれの趣味を心ゆくまで満喫できるように配慮されているのが、なんとも粋ですね。障子を開けると見える茶庭が、凛とした雰囲気を醸しています。
茶道をライフワークとする奥様と、生活の半分以上が海外というご主人。そんなご夫婦から、「心からくつろげる住まい」をとリクエストいただいのがこちらの高級注文住宅です。
奥様のための茶室は、玄関を入ってすぐ手前に設置。その脇の廊下を過ぎると、開放感あふれるリビングが現れるという、大胆な空間的コントラストを演出しています。
一方で茶室とリビングは、一体感を持たせつつもさりげなく区切りをつけて工夫を加えました。
リビングやダイニングには、白い内壁と、木目の柱や梁、床、天板をふんだんに使用。
2階寝室からは、郊外の山々の景色を楽しめるようになっています。
照明が木材を照らし、住宅全体が柔らかい雰囲気に包まれているのが特徴的。茶室は「和」過ぎず、どこかスタイリッシュな印象を与えてくれます。
札幌を本拠地とし、評判の高い高級注文住宅を多数手がけるハウジングオペレーションアーキテクツ(HOP)。
HOPは、天然素材・国産材を用いるこだわりや、独自の木材流通システムの確立、そして施主の評判の高い家づくりなどで、注目を集める建築事務所です。
日本のみならず、外国からもオファーが寄せられる評判の高さ。HOPの源となっている理念が、HOP石出和博会長の著書『美しい日本の邸宅』で紹介されています。