ここではHOPがこだわる木の家の木材として、カラマツの特徴や用途などをとりまとめてご紹介していきたいと思います。
別名で「富士松」や「日光松」などとも呼ばれ、元々はその別名の通り、富士山や日光、浅間山、八ヶ岳などの高地山岳エリアに自生しており、また日本固有の樹種になります。
日本に生息する松類の中では、唯一の落葉する針葉樹としても知られています。
前述しました通り、富士山などの高標高地、寒冷な場所に強く、また火山灰や溶岩などの本来樹木が生育しにくい土壌でも生育することから、日本各地に盛んに植林されています。
特に、山火事後の森林再生に植林されることが多く、大きな役割を担っています。
北海道では明治時代の中期頃から植林が開始され、現在では総人工林面積の約3割がカラマツ※とされています。最大で高さ40m、直径は1mに及ぶものもあります。
※参照元:地方独立行政法人北海道立総合研究機構(道総研)HP(https://www.hro.or.jp/list/forest/research/fpri/gijutsujoho/doumoku-db/doumoku/karamatu/karamatu.htm)
心材は褐色で辺材はやや白味がかっており、年輪もくっきりと浮かび上がっています。
針葉樹の木材としては硬く丈夫で耐久性、耐湿性にも優れているのが特徴。また脂気を多く含んでいるため、経年変化によって木肌が赤味がかった色に変化していくのを楽しめます。
建物の風格を演出するのにはうってつけと言えるでしょう。
一方で、繊維が螺旋状に育つという特性から、乾燥後に割れや狂いが出やすく、またエゾマツやトドマツ材の白い木目が好まれていたこともあり、近年まで建材としては一段下という評価がされがちでした。しかし、乾燥技術の向上によって弱点を改善できるようになり、またその色合いも家に独特の個性や美しさをもたらすことができると、評判を高めています。
上記の通り、樹齢が高く独特な風合いを出している天然の個体は、本州などでは「天カラ」と呼ばれ神社仏閣用などにも重用されるほどでしたが、人工植林の間伐材は人気が低かったというのが現実でした。
梱包用やパルプ用、住宅建築においても土台まわりなど耐水性や強度が必要であっても見栄えを必要としない部位に用いられるケースが多く見られました。
しかし、近年においては乾燥技術の向上や、独特の風合、経年変化による美しさなどが見直され、北海道においてもカラマツ材を内装や外装にふんだんに取り入れた住宅の事例を多く見られます。
HOPにおいても屋根板や飾り柱など、その風合いや経年変化が楽しめる特性が活かせる部位に、積極的に用いています。
札幌を本拠地とし、評判の高い高級注文住宅を多数手がけるハウジングオペレーションアーキテクツ(HOP)。
HOPは、天然素材・国産材を用いるこだわりや、独自の木材流通システムの確立、そして施主の評判の高い家づくりなどで、注目を集める建築事務所です。
日本のみならず、外国からもオファーが寄せられる評判の高さ。HOPの源となっている理念が、HOP石出和博会長の著書『美しい日本の邸宅』で紹介されています。